ワイングラスの正しい持ち方?
SERIESシリーズ記事テーブルマナーの勘違い
2016年10月18日
2016年10月25日
今回のお題
ワイングラスはどう持つのが正解?
むこりんはワイングラスのどこを持つか
はたさん
さて、では前回の続きを聞かせてもらいましょうか?
とびぃ
えっとですね。まぁフレンチ系ってことでみんなでワインも飲んだんですよ。
はたさん
ほぅほぅ。フレンチにワインですか。いいですね。次はぜひわたしも誘ってほしいものです。
むこりん
(誘われなかったことまだ根に持ってる・・・)
とびぃ
そんで、ワイングラスって脚のところ持つのが正式ぢゃないですか?
それなのに、むこりんなんか、思いっきり上の丸いとこ持って飲んでたんすよ。
グラスの丸い部分を「ボウル」といい、脚の部分を「ステム」といいます。
むこりん
ええ~~!?
みんな、あんな持ちくくて不安定なとこ持って飲んでたから、ふしぎな持ち方するんだな~って思ってた!
とびぃ
いやいや、ワインは手の温度が伝わらないように、ワインがはいってるとこから離れたところを持つんだよ。
はいってるとこを直接持ったら、あったかくなっちゃうだろ?
むこりん
知らなかった・・・普段ワインなんて飲まないし・・・。
とびぃ
で、はたさん、どうなんすか?
やっぱりそういうのって恥ずかしいっすよね?
はたさん
そうですね。それは恥ずかしいかもしれませんねぇ。
むこりん
うぅ・・・恥の多い生涯だ・・・。
とびぃ
ほらみろ~。次から気をつけたほうがいいぞ。
はたさん
いえいえ。違いますよ。
恥ずかしいのはとびぃさんのほうです。
間違って広まってしまったマナーを真に受けて、さらにそれを他の人に広めることが恥ずかしいのです。
しかもそれっぽいウンチクまで付けて。
とびぃ
え!?
(やべぇ、前回と同じ流れだ!)
ちょっとだけ科学のお話
はたさん
そもそもの話になりますが、お二人はガラスの熱伝導率をご存じですか?
とびぃ
熱伝導率!?
むこりん
あれですよね!?
熱の伝わりやすさ!よくわからない記号を使うやつ!
熱伝導において、媒質中に温度勾配がある場合にその勾配に沿って運ばれる熱流束の大きさを規定する物理量である。熱伝導度ともいう。
熱伝導率 - wikipedia
はたさん
そうです。それです。
種類によって多少の違いはありますが、ガラスの熱伝導率は1以下ですよ。
とびぃ
それってどうなんすか?すごいんすか!?
はたさん
この数字が大きいほど熱を伝えやすいわけですが、一般的な陶器でも1よりは大きいですし、金・銀・銅みたいなメジャーな金属類に至っては300以上です。
つまり「ガラスは、そんなに神経質になるほど熱を伝えない」ということです。
くわしくはGoogle先生にでも聞いてください。
むこりん
え~っと、ぐぐるぐぐるなんでもわかる魔法の呪文っと。
ほむほむ・・・漢字と記号だらけでよくわかんないけど、他のものに比べて結構小さい数字だ!
とびぃ
え!?それって!?(「ふむふむ」じゃなくて「ほむほむ」なのも気になるけど)
むこりん
わざわざ、あんな持ちにくいところ持たなくてもいいってことじゃん!?
はたさん
はい。というわけで、ワインの温度を保つためにグラスの脚を持つのが正式なマナーというのは嘘です。
そもそも、飲むときに指先でちょっと持った程度で、ワインが温かくなるなんて非現実的すぎます。
そんな微細な温度差がわかるなんて漫画じゃあるまいし(笑)
マナーの本質を考えれば
え~~!?
でもそこまで言われたら納得せざるをえない・・・
んじゃ、ずっとグラス持ってる立食パーティーみたいな場合はどうなんすか?ずっと持ってるんだから、少しずつ温かくなっちゃいません??
はたさん
そうですね。
たしかにずっと持ち続ければ多少は温度が上がるかも知れませんね。
でも、ちょっと想像してみてください。
グラスを持ったまま歩きまわる立食パーティーのような場で、グラスの脚を持つような不安定な持ち方をしている人ってどうですか?
とびぃ
あ!怖ぇ~!とっておきのスーツとか着てたら近寄りたくねぇ!
むこりん
うんうん。そんな人に近付くの嫌だなぁ。
はたさん
ですよね?
前回にも言いましたが、マナーというのは同じ空間を共有している人たちへの、思いやり・気遣いです。
ですから、そのような場ではなおさら不安定な持ち方はしてはいけないということです。
むこりん
なるほど~。
いわれてみれば、こぼす方にもこぼされる方にもなりたくない。
はたさん
でしょう?
だったらどうすればいいの?
とびぃ
それはそれで納得できる理由なんすけど、じゃぁ、なんで脚を持つのが正式みたいになってるんすかね?
はたさん
うーん・・・都市伝説のように自然に広がっていたんでしょうけど、誰が言い出したのかまではさすがにわからないですね・・・。
ただ、ソムリエの方がテイスティングをする際にグラスの脚の部分を持ちますので、それが発祥になっているのではないかとは思います。
なんとなくカッコよく見えますしね。
とびぃ
なるほど~。ソムリエってカッコいいっすもんね。
はたさん
まぁ正直なところ、グラスの持ち方なんてどうでもいいと思いますけどね。
自分が持ちたいように持てばいいんじゃないですか?
むこりん
どうでもいいって!?
グラスの持ち方ひとつで、一時はわたしがマナー知らずの田舎娘で、生きていること自体が恥ずかしい、みたいに言われたのに!!
とびぃ
いや、そこまでは言ってねぇよ・・・。
悪かった、ほんとスマン。
はたさん
だってそうでしょう?
誰にも迷惑をかけず、そして同席している人と楽しく過ごせるのならば、グラスの持ち方なんて些細なことですよ。
「脚を持つのが正式なマナーというのは嘘」と言いましたけど、だからといって「ボウルの部分を持たなければいけない」というわけではないですからね。
ちなみにわたしはちょうどボウルと脚の繋ぎ目あたりを持ちます。
脚を持つのは不安定なので嫌ですが、おもむろにボウル部分を持ってグラスに指紋が着くのも嫌なので。
とびぃ
(神経質なはたさんらしい……)
まぁ確かに他人のグラスの持ち方で気分悪くなったりしないっすね。
こぼされるのは嫌だけど
はたさん
まぁ、仮に脚を持っていたところで、せいぜい日本以外の国の人に、日本人はそういう文化なのかな?って思われる程度ですよきっと(笑)
むこりん
この人ソムリエなのかな?って思われたりして。
とびぃ
あるあ・・ねぇよ!
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今回のまとめ
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- ワイングラスは脚を持つのが正式なマナーというのは嘘。
- ワインの温度が上がる心配は不要。
- 不安定な持ち方は周囲の人に迷惑をかける可能性があるので注意。
- グラスの脚を持つのはソムリエの持ち方。
- 他人に迷惑をかけなければ持ち方などどうでもいいのではないでしょうか?
記事の内容は実話をもとにしたフィクションです。
実在の人物や団体などとは関係ありません。
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