パスタを茹でるときに塩は必要無い?
今回のお題
パスタを茹でるときに塩は必要無い?
塩を入れる理由はなに?
いつも通りの日常の一コマ
とびぃ
だから~。入れるんだって。常識だろ?
むこりん
でも、こないだネットで見たんだもん!
結構話題になってるよ?
とびぃ
いやいや、だとしても、有名なシェフがテレビで作ってるときは入れてんじゃん?
むこりん
そ・・・それはそうだけど・・・
はたさん
なんですか?騒々しい。
どうせまた、下らないことで言い争ってるんでしょう?
とびぃ
どうせ下らないことて・・・
むこりん
そんな・・・わたしたちの人生が下らないものだなんて、ヒドい・・・
はたさん
いやいや、そこまでは言ってないですよ・・・・
で、今回はどうしたんですか?入れるとか入れないとか。
ここから本題
とびぃ
あのですね・・・スパゲティとかのパスタを茹でるときって、普通はお湯に塩を入れるじゃないですか?
はたさん
ふむふむ・・・まぁ、普通そうですね。
とびぃ
ほらみろ。はたさんだって、普通そうだって言ってるじゃねぇか。
むこりん
でも、こないだネットで見たんです!
「入れてもなにも変わらないから入れなくてもいい」って書いてあったんですよ!
機械で分析しても、入れても入れなくてもなにも変わらなかったって。
どこかの大学の教授が、どこかのホームページで言ってたんです。
とびぃ
「どこか」の「誰か」じゃねぇか・・・
そんなの信用できねぇよ。
むこりん
いやいや、それにテレビでも言ってたらしいの。
でも、それを言っても信じてもらえなくて。
はたさん
あぁ・・・なるほど。
これまた、やっぱりどうでもいいことで言い争っていたんですね。
とびぃ
いやいやいや!
はたさんの仕事的に、料理関係はどうでもいいことじゃないじゃないッスか!?
むこりん
そうですよ!
っていうか、このままじゃスッキリしないから、どっちが正しいか教えてください!
今回の正解はどっち?
はたさん
それは・・・・・・
とびぃ
それは・・・・・?
むこりん
ドキドキ・・・・・・・
はたさん
どっちでもいいんじゃないですか?
とびぃ
えええええ!?
むこりん
えええええ!?
うりぼぅ
えええええ!?
とびぃ
うわ!おまえいきなり這い出てくるなよ!ビビったわ!
むこりん
なんでいきなりわいてくるの?!
うりぼぅ
そんな・・・ひとのことを、ゴキブリのように言わなくてもいいだろ・・・
正解はどっちでもいい?
とびぃ
で、コイツはほっといて・・・
どっちでもいいってどういうことッスか?
はたさん
え?
だって、そんなもの好みじゃないですか?
自分の好きなようにすればいいんじゃないですか?
うりぼぅ
俺、知ってるぜ!
パスタ茹でるときに塩を入れるのは、塩を入れたらお湯の温度が上がるから仕上がりが変わるって、ばっちゃが言ってた!
はたさん
あぁ、それ大嘘、というかオカルトですね。おばぁさまには申し訳無いですが・・・
仕上がりが変わるくらい沸点を上げようとしたら、とんでもない量の塩をいれなくてはいけません。
ごく常識的な量の塩ではそこまで沸点は上がりません。
液体が沸騰する際の温度。
言うまでもなく、外圧が 1.00 気圧 のときの水の沸点は 100 ℃である。
うりぼぅ
ぐはっ!
ごめん、ばっちゃ・・・
で、でも、まだある・・・たしか、塩を入れると麺にコシが出るんだって、じっちゃが・・・
はたさん
あぁ、それも嘘、というか迷信ですね。おじいさまにも申し訳ないですが・・・
少なくとも1%や2%程度の塩分濃度で食感が変わったりしませんよ。
むこりん
ネットで見たことそのまんまだ・・・
お湯の温度も、麺の食感も変わらないから意味が無いって。
とびぃ
いきなり出てきて、テンプレ通りに間違った答を言ってくれるって・・・
うりぼぅって、なんて便利なキャラなんだ・・・
うりぼぅ
そんな・・・ひとのことを、小学生向けの教材絵本のキャラみたいに言わなくても・・・
はたさん
まぁまぁ、うりぼぅさんのおかげで、説明する手間が省けてわたしは助かっていますよ。
どんな形であれ、存在意義があるというのは素晴らしいことです。
とびぃ
うわぁ・・・全然フォローになってねぇ・・・
じゃぁ、なんで塩を入れるの?
はたさん
それにしても、料理の世界というのは、未だにたくさんのオカルトや迷信がまかり通っているんですよね・・・
むこりん
じゃぁ!じゃぁ!なんでお塩を入れるんですか!?
むかしから普通に入れるものだって言われてますけど。
オカルトや迷信なら、入れなくてもいいってことじゃぁ?
はたさん
それこそ、むこりんさんが見た、どこかのエラい先生はなんと言っていたんですか?
むこりん
え~っと、パスタの麺はうどんみたいに塩を含んでないから、茹でる時に塩を加えようと発想したんじゃないか?って。
はたさん
プププ!
あ、失礼。
なるほど~。その先生の言うとおりならば、はるか昔のイタリア人が、パスタはうどんと違って塩が入ってないから塩を入れよう!と考えたわけですね?
むこりん
あっっ!
それは違うよ!
とびぃ
いやいや、それはさすがに俺だっておかしいって気づくぜ。
むこりん
わたしだって、別に本気にしてたわけじゃないもん!
ただ、そう書いてあったから言っただけだもん!
うりぼぅ
おぉ~。この記事か~
なになに・・・レストランなどでは、家庭とは違う味を演出するため、塩味を強くしてインパクトを出している・・・と。
はたさん
ププププ!
あ、たびたび失礼。
イタリア料理はもともとイタリアの郷土料理や家庭料理から発展したものですよ?
ですから、もちろん家庭でもパスタを茹でるときには塩を入れますよ。
それを言うに事欠いて、演出?インパクト?
確かに、家庭料理の美味しさと、レストランの美味しさは、別のカテゴリのものですけど、レストランの味が家庭の味と違うのは、そもそも技術や手間が違うからでしょうに。
プー!クスクス!
むこりん
じゃぁ!じゃぁ!お塩を入れる意味ってなんなんですか!?
はたさん
あ、失礼。
いやぁ・・・なかなか斬新なネタで笑わせてもらいました。
で、なぜ塩を入れるかでしたね。
それはもう単純明快、パスタに下味をつけるためです。
むこりん
え?
でも、味付けはソースに味があるじゃないですか?
それに、ソースをあわせても足りなかったらそのときに塩を振ればいいんじゃ?
はたさん
はい。そうくると思っていましたよ。むこりんさん。
むこりん
うわぁ・・・悪い予感・・・
はたさん
そういう人がいるから、どっちでも自分の好きなようにすればいいと言ったんですよ。
パスタに下味がついているものと、パスタに下味が無いもの。料理の仕上がり時点で、全体の塩分の量が同じだとします。
その二つを実際に食べ比べても、違いがわからない舌の持ち主にとっては、お湯に塩を入れるのは塩の無駄遣いじゃないですか。
とびぃ
うわぁ・・・キツい言い方・・・
はたさん、なんか機嫌悪いッスか?
はたさん
あぁ・・・すみません。
別にそういうわけでは無いのですが、大学の教授という肩書きまで背負って、そんないい加減なことを言うどこかのエラい先生とやらと、公共の電波で大嘘を垂れ流すテレビに対しての嫌悪感が、にじみ出てしまいました。
食感や、お湯の温度は変わらないから、塩は不要って(笑)
きっと、それを言ったどこかのエラい先生は、食べ比べても味の違いがわからない舌の持ち主なんでしょうね(苦笑)
実際そんなに違うものなの?
とびぃ
ていうか、そんなに違うものなんですか?
全体の塩の量が一緒なら、似たような味になりそうな気がしますけど・・・
はたさん
うーん、そうですね・・・
では、茹でるときに塩を入れないのとは逆に、ソースには塩分を一切加えず、下味がすごく濃いスパゲティ。想像したらどうでしょう?
とびぃさんの言うとおりなら、同じような味になるはずですが。
うりぼぅ
うわ・・・なんとなく美味しくなさそうだな。
むこりん
でも、あんまりイメージできないなぁ・・・
はたさん
うーむ・・・塩味だけで考えたらピンと来ませんかね・・・もっと極端な例を出しましょうか。
では、魚を茹でて、酒とミリンと醤油を煮詰めたものをかけたら、煮魚と同じ味になりますかね?
普通に炊いたご飯にダシ醤油を混ぜたら、炊き込みご飯と同じ味になるでしょうか?
鳥の唐揚げも、粉だけつけて揚げて、あとからつけだれと同じ調合をしたタレをかければいいじゃないですか?
他にも、煮たり茹でたりするときに味をつけたり、下味をしてから調理をする料理はいくらでもありますよ?
それでも、ソースに味がついているからとか、後から塩をすればいいとか言えます?
むこりん
う・・・
い・・・言えません・・・
はたさん
大切なのはバランスなんです。
たとえ全体の塩が同じ分量でも、パスタの下味の塩分と、ソースの塩分とのバランスで、舌で感じる味は変わるんです。
仮に、全体の塩味を10とします。
パスタの下味0・ソースの塩分10
パスタの下味5・ソースの塩分5
パスタの下味10・ソースの塩分0
この三つを食べ比べたら、目隠しされても違いがわかると思いますよ。
むこりん
うわぁ、これって「当然あなたたちもわかりますよね?」って煽られてます?
はたさん
いやいや、味覚を言葉で伝えるのには、さすがに限界がありますからね。
結局、実際に食べ比べてみてくださいとしか言いようがないだけですよ。
それで違いがわからないのなら、次回からは塩を入れなければいいだけなんです。
無駄な塩を節約できていいことずくめです。
うりぼぅ
なるほど!わかりました!
俺、今度やってみます!
むこりん
わざわざやってみなくても、うりぼぅはどうせわからないよ。
うりぼぅ
なんで俺はいつもそんな立ち位置なんだよ・・・
結局どっちでもいい
はたさん
まぁ、料理なんて、食べた人が美味しいと思えば、それが正解なわけで、今回の話もどちらが正しいというわけではありません。
だから、最初に「どっちでもいい」と言ったんです。
ただ、わたしはパスタを塩無しで茹でた料理なんて、食べたくも無いし、作りたくも無いですがね
うりぼぅ
アニキ!じゃぁ、薄味が好きだったらどうするんですか!?
はたさん
そうですね。
さきほど、全体の塩味を仮に10としましたが、全体の塩味を5にしたいときに、パスタの下味0・ソースの塩分5という、単純かつ極端な発想しかできないのならば、塩無しで茹でればいいんじゃないですか?
うりぼぅ
あ・・・はい・・・
今回のアニキはキツいです・・・
とびぃ
いやいや、おまえはもともとそういうキャラだよ。
むこりん
ていうか、うりぼぅは、どうせレトルトや出来合いだから、ソースの塩加減ができないんじゃぁ?
ここで、さらに新解釈が登場!
とっつぁん
はたさん、はたさん、ちょっとよいでござるか?
はたさん
あら、とっつぁん。どうしたんですか唐突に。
とっつぁん
実は、ワタクシもパスタを茹でるときの塩について、疑問に思って調べてみたでござるよ。
そしたら、塩を入れないと浸透圧の関係でパスタからソースに水が出て、ソースがビチャビチャになるから入れるんだという、今まで聞いたことのない新解釈を見つけたのデスよ。
これについては、どうですかね?
はたさん
それはもう、オカルトを通り越して、疑似科学ですね。
疑似科学とは、うわべだけの科学や、誤った科学のことであり、科学的方法に基づいていると誤って考えられたり、あるいは科学的事実だと(間違って)位置付けられてしまった一連の信念のことである。疑似科学 - Wikipedia
はたさん
これも、試して見ればわかると思いますが、塩を入れずに茹でたパスタに濃いソースを合わせても、ソースが水っぽくなったりしません。
わかりやすく実験したいのならば、塩を入れずに茹でたパスタに塩をかけて放置してみれば一目瞭然ですよ。
そもそもですが、「浸透圧」とは「半透膜」を挟んで物質が移動することでしょう?どう考えてもパスタの表面に半透膜は無いですよ。
とっつぁん
なるほど・・・
やはり、ネットの情報は鵜呑みにしたらダメでござるな。
はたさん
まぁ、それを言ってしまうと、このブログもネットの情報なんですけどね。
補足の独り言①
はたさん
パスタの塩味とソースの塩味のバランスが悪いと、ぼやけた味や、とがった味に感じます。
両者の塩味をバランス良くするだけで、パスタ料理のレベルが1ランク上がりますよ。
ちなみにパスタに限らず、料理の塩分は全体量の0.6%~0.9%が妥当な量です。
たとえば、1%のお湯で茹でたパスタ200gに、ソースを180g合わせるのならば、ソースの塩分は、1g前後が妥当ということですね。
補足の独り言②
はたさん
アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノなど、オリーブオイルベースのソースは、茹で汁もソースを構成する大切な要素になります。
また、それ以外のソースの場合でも、茹で汁でソースをのばしたりするので、お湯の塩分濃度は、実はとても重要なものです。
そんなことも知らずに、塩は不要だの、減塩だの、薄味が好みだの、と言って塩を入れずに茹でている人は、パスタの塩味とソースの塩味のバランスで、味が変わることを実体験したことはあるのでしょうか?
体験した上で、塩を入れない方が好みならば、それはそれでいいのですが。
-
今回のまとめ
-
- お湯に塩を入れるのはパスタの下味のため。
- それ以外の理由はオカルト。
- 大切なのはパスタとソースの塩分バランス。
- 試してみて塩を入れない方が好きならば入れなければいい。
- 結局どっちでもいい。好きにすればいい。
記事の内容は実話をもとにしたフィクションです。
実在の人物や団体などとは関係ありません。
POST COMMENTコメントを投稿する